近い将来、「すばる」や 「ASTRO-E」、「IRIS」、 「LMSA」といった 日本が中心となって 計画を押し進めている観測機器が次々と立ち上が ります。 まずその口火を切る「すばる」は、国立天文台が中心となっ て ハワイのマウナケア山頂に建設中の大型光学赤外線望遠鏡で、1998 年夏(秋?)にファーストライトを迎えようとしています。 それに続く 「ASTRO-E」は宇宙科学研究所を中心として2000年初頭に打ち上げが予 定されているx線天文衛星で、超高エネルギー現象を対象とします。 「IRIS (InfraredImaging Surveyor) 」は、同じく宇宙科学研究所を 中心に計画が進められている赤外線天文専用衛星で、2002年に打ち上 げが予定されています。 「LMSA (Large Millimeter and Submillimeter Array)」は ミリ波サブミリ波帯での高い解像力と感度を特徴とする超大型電波望遠鏡で、 国立天文台を中心にその計画が進められています。
このような、従来の性能をはるかに凌ぐ観測装置が続々と動き出す時代には、 これまで以上に分野間(波長間)の協力が必要であると考え られ、したがって若手研究者も直接的な観測という手段ではなくとも 観測データの利用等を通じて、これらいわゆる次世代観測機器に関わ る機会が多くなることが予想されます。 現在はそのような時代を迎える節目の時期にあたり、 そこで私達は実際にそのような計画に関わっておられる講師の方を招待して、 このような観測機器を通して見えてくるであろう宇宙の姿、サイエンスについて 講演していただこうと考えました。
冒頭に挙げた国内の大型観測機器の中でも、特に「すばる」は1998 年、 「ASTRO-E」は2000年と、今まさに立ち上がろうとしています。 私達は、立ち上がりの時期等を考慮して、今回の講演で特にその対象 とする修士課程の学生が、この2つの観測装置であれば学位論文の研 究で利用する事が可能であると判断し、結果として
また全体企画の構成としては、現在3名の講師による 講演を予定して います。 まず最初の講演者には、性能、特色等の面からの世界における 日本の次世代観測機器の位置付け、役割、そして実際に計画されて いる観測装置間の 協力体制等に関するオーバービューをお願いする予定です。 そしてそのオーバービューの後に、「すばる」、 「ASTRO-E」 を通して見えてくる物理現象について、 それぞれ1名の講師の方の講演を予定しています。 またその内容としては、観測機器の性能諸々やこ れまでにわかっている事ではなく、 むしろ次の事に重点を置いて講演をして頂こうと考えています。
以上のような事に重点を置いて、なるべく多くの分野に絡んだ、 全般 的な話をして頂きたいと考えています。
このような構成にする事によって、サイエンス のみでなく、世界の 観測機器についての情報を得る事も でき、また世界における日本の観測機器の役割や他分野との協力などについても 考える良い機会になる のではないかと、私達は期待します。